ホーム | 学校紹介 | 入試案内 | 附属中の教育 | 生徒の活動 | 教育研究 | お問い合わせ | サイトマップ
学校紹介>学校長挨拶

入学式 校長訓辞

 春爛漫、晴れて本校に入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員並びに在校生一同心より皆さんを歓迎いたします。また新しい制服に身を包み、一段と大人になったような気分で今日の佳き日を迎えられたことでしょう。このような立派な若者に育ててこられた保護者の皆様のお喜びもひとしおのことと拝察いたします。この国立大学法人筑波大学附属中学校の起こりは、明治21年(1888)に高等師範学校附属の尋常中学校が設置された時にまで遡ります。そして皆さんは映えある120回目の入学者となります。この間に本校からは、日本のみならず世界で活躍する素晴らしい人々が育っていきました。私たちは、こうした伝統を更に輝くものにしていかなければなりません。現在本校は、生徒一人一人の学力と個性を伸ばして、小・中・高の一貫教育を通して将来の真のリーダーの育成を図り、日本有数の国際的な学校にしようと取り組んでいます。そのために校訓として「強く、正しく、朗らかに」をかかげて、強い意志と広い視野に立った正しい判断力、明るく誠実な人間を育てていけるように努力しています。
 皆さんは、心も体もそして知能も、最も発達できる中学校生活をスタートするわけです。日本で活躍している教育界や企業の人たち、スポーツ界の選手たちはほとんど中学校時代に基礎を築いてきました。大切な節目の時を迎えた新入生諸君に、わが国の歴史と伝統をもった武道の極意ともなっている言葉をご紹介しましょう。それは「四つの習い」といって「先生に習う」「友達に習う」「自分に習う」「場に習う」というものです。
 その第一は「先生から習う」ということです。侍が下手な先生について剣術を習うことを想像してください。悪い癖ばかりついて実力が付かなければ、戦いの場で命を落とすことになりますね。ですから昔の侍は必死で良い先生を探しました。皆さんが本校を選んでくれた理由の一つには、素晴らしい先生に教えてもらえるということがあったことと思います。本校の先生方は楽しく分かりやすい授業をしてくれます。そして何でも相談にのってくれる優しい実力者ばかりです。どんどんわからない所を聞いてぶつかっていってください。
 第二は「友達に習う」ということで、友達から学ぶということです。一緒に授業を受けるクラスメートだけではなく、生徒会活動やクラブ活動あるいは学校行事を通して、縦の関係にある先輩や同輩から学ぶということも含めてもよいでしょう。俗に「足を引っ張る」といって、低い方に横並びしようとするのは私は好みません。友達に良い所が見えたら、皆さん自身そこまで向上できるように頑張ることが「友達に習う」ということです。また、生涯にわたるかけがえのない友達を得られるのもこの時期です。
 これらの二つは誰にでもわかることですが、第三の「自分に習う」ということはどんなことでしょう。「自分に習う」ということは、自己反省をして自分の発展を図ることです。他人と競争するよりも「昨日の自分に今日は勝つ」努力をすることです。そして、自分を客観的にみる(もう一人の自分)を心の中にもっている人は、他人の事もよく理解できるようになるでしょう。
 第四の「場に習う」ということは、その場所にいって体験をするということです。人は他人のやっていることは簡単に見えて「あんなこともできないのか」と笑っていますが、いざ自分でやってみるとさっぱり出来ないということがよくあります。学習の場は教室だけではありません。本校は学校行事が大事にされ、各学年には宿泊を伴う行事があります。例えば一年生では七月に千葉県の富浦での海浜生活があります。いろいろな所に出ていって、いわゆる「場数を踏む」ことで、頭の中で理解した事を実地に経験して自分の物にすることができるのです。これから三年間の中学生生活が実り多いものであるよう、何事も勉強だと思って積極的に挑戦することをお勧めします。
 最後に、私が大学で運動クラブに入ってきた新入部員によくするお話しをしましょう。クラブに入った当初の一、二か月は「満員電車に背中を押されて乗り込んだ時」と同じです。練習がきつく心も体もくたくたでとても長続きしそうもないと感ずるものです。しかし、電車が動き始め一駅、二駅と走ると、何とか自分のスペースを確保することができ、周りの広告も読めるようになるものです。附属中学生としての生活も、最初はギューギューずめの満員電車かもしれません。でも、身動きできないように感じるのはほんの少しの間です。焦らずに肩の力を抜いて、しっかり自分の二本の足で立っていることです。すぐに慣れてきて後は楽しい事がたくさん皆さんを待っています。我々も皆さんに「附属中学校にきてよかったな」と言ってもらえるように精一杯頑張ってまいります。どうか一日も早く本校の生活に慣れて互いに前進していきましょう。


平成二十年四月八日



                国立大学法人 筑波大学附属中学校


                     

                   筑波大学附属中学校校長
                   藤堂良明