本校の教育

中学校 校長挨拶

中学校 校長挨拶

校長 佐野 淳

筑波大学附属中学校は、明治5(1872)年、神田昌平黌跡に創設された師範学校(後の高等師範学校)に端を発し、明治21(1888)年、その高等師範学校に設置された尋常中学科(本校の創立)にまでさかのぼる、130年を超える長い歴史と伝統を誇る学校です。これまで何回かの合併や校名変更を繰り返して、昭和53年に筑波大学附属中学校と改称されました。
本校の教育目標は、「調和的な心身の発達と確かな知性の育成、ならびに豊かな個性の伸長を図るとともに、民主的社会の一員として人生を主体的に開拓し、すすんでは、人類社会の進展に寄与することができる人間を育成する」です。このために、日々の授業を重視するだけでなく、運動会や宿泊を伴う海や山での共同生活などの行事、また道徳と特別活動を発展的に融合させたホームルームアワー(HRH)を設けるなど、独自のカリキュラムを組み、中学生としての自治を考え実践しています。この原点には、「強く、正しく、朗らかに」という校訓があり、生徒に本来あるべき人間の姿の追求、実践を促しています。本校は筑波大学の附属の中学校であり、中等普通教育を行うとともに、筑波大学の計画に従って、筑波大学における生徒の教育に関する研究に協力し、教育実習の実施にあたる使命ももっています。

本校が「育てたい資質」とするものの中に、「強い意志とたくましい実践力」「積極的な創意と探求心」「人間愛にもとづく思いやりの心」があります。しかしこれらのレベルアップはそう簡単にはいきません。簡単なことでも奥が深く、それを本当の意味で自分のものにするには並大抵のことではありませんし、相当な覚悟と努力が必要です。文豪シラー(Schiller)の言葉に次のようなものがあります:「大望を遂げんとする者は、徹するに深く、弁ずるに鋭く、猟るに広く、持するに剛なるを要す」(関口存男訳)。これは、小さなことでも本当に自分のものにしよう(身につける)とするならばそれは「大望」であり、その大望の実現のためにはいい加減な取り組みや実践であってはだめであり(徹するに深く)、ものごとをしっかりと考え(弁ずるに鋭く)、小さくまとめることに満足せず(猟るに広く)、徹底的に頑張ること(持するに剛なるを要す)が大事なのだ、ということです。人間には、自分が取り組んでいることに真剣に「妥協せずに」しっかりと向き合い「実践する」態度が重要であり、その態度の養成こそ本校は大切にし力を入れています。そしてさらに、誰に対しても何に対しても、「敬う」気持ちをもつことを重視しています。

本校は長い歴史と伝統をもつ学校ですが、それはグローバル化した現代社会および未来を切り開いていくための力をもつことを意味しています。このような「力」を背景にして、私たち教職員一同は、本校中学生が毎日を充実させて中学校生活を有意義に過ごし、そして一人ひとり自分の使命に気づいて人間的に成長できるよう、全力を尽くすべく、決意をもって、日々、指導力の研鑽に励むとともに学習環境の整備に努めています。