野城智也先生講演会が開催されました

 4月26日(土)午前10時より、講堂(育鳳館)において講演会が行われました。

 講師は本校84回卒、東京大学副学長をお務めの野城智也先生、「大学からみたフゾクの価値」と題する講演でした。

 講演の前半は、お務めの東京大学が取り組んでいる改革の内容についてのお話でした。東京大学では、学生の現状を分析する中で様々な課題が浮かび上がり「学部教育の総合的改革」について検討が行われていること、「育成する能力・人材」として(A)揺るぎない基礎学力、先端的知への好奇心、(B)公共的な責任感、巨視的な判断力、(C)異なる文化や価値観の理解・尊重、(D)課題の発見・挑戦的体験への積極的姿勢、(E)グローバルな思考と行動力、が掲げられていること、それらの実現に向けての改革の方向性として(Ⅰ)学びの質の向上・量の確保、(Ⅱ)主体的な学びの促進、(Ⅲ)流動性の向上と学習機会の多様化、(Ⅳ)学士課程としての一体性の強化、(Ⅴ)教育制度の大枠の改善、が挙げられていることなどが紹介されました。マスコミでも報道されている東京大学の「4学期制」や「推薦入試」の導入の背景に迫るものでした。

 後半は、蓼科生活や院戦の思い出にお触れになりながら、ご自身の高校生時代のエピソードなどを交えて、「フゾク」の伝統的な教育内容を、コミュニケーションを楽しむ能力の育成、既成概念にとらわれない自由な発想、力まない進取の気性などにまとめられ、それらが現在の大学改革の向かっているところと符合しているということをお話になりました。東京大学でも学生の学習態度の受動性などが問題になっているとのことで、本校 の自ら調べ思考する機会を数多く提供する指導のあり方は、そうした傾向とは対極にあり、学ぶ動機づけという点からみて大学の改革がめざす方向と一致しているとエールを送っていただきました。

 今回の講演会は高校の保護者の方と高校3年生を対象としており、150名ほどが聴講しました。生徒の進路を考えるにあたっても大変有意義な講演会でした。

2014-04-26(kouen03)???????????????????????????????????????????????????????????????