第87回開成レース報告

4月18日(土)に、開成高校との学校対抗ボートレースが行われました。以下、ボート部顧問による報告です。

「凱歌」の歌声はじけ、喜びに沸く応援団
4月におこなわれる開成レースは、新入生がもっとも熱く燃える学校行事のひとつである。
東京高等師範付属中学校(現・筑波大学附属高校)と開成中学校(現・開成高校)とのあいだで第1回学校対抗レースが繰り広げられたのは1920 (大正9)年のこと。戦時中にやむなく中断した一時期を除いて、両校のOBたちが途切れることなく歴史を刻んできた伝統の一戦である。学校対抗レースとして、日本ではいちばん古い大会だ。
その第87回大会が、平成27年4月18日(土)に戸田漕艇場でおこなわれた。驚くべきことに昨年までの成績は43勝43敗で並んでいる。振り返ってみれば、この数年間、互角の戦いを続けている両校だ。勝って喜びの涙を流し、負けて悔し涙を流してきた。実力も互角、通算成績も並び、勝利を期待するおおぜいの観客が見守る中でオールを漕ぐ両校クルーには、ことしの大会はぜったいに負けられない戦いだったのである。
開成レースの応援は、4月に入学したばかりの1年生の生徒がかけつける。こちらは240名だ。開成側の応援団は、中学1年生と、新しく入学した高校1年生で編成されている。応援団を見るかぎり、声の大きさ、力強さでは開成の方がはるかに上だが、共学校の強みか、華やかさでは附属がまさっている。
審判から、アテンション・ゴーの号令とともに旗が振り下ろされて、それが1,000Mの試合開始の合図となる。よし!附属の新艇「白鳳」は、川の流れにのって、なめらかな滑り出しを見せる。ボート競技で、スタートダッシュがうまくいくかどうかはとても大事である。敵の背中を見ながら漕ぐのか、あるいは先を越されて、見えない敵を相手にするのか。この違いは大きい。その後の展開を左右する。どうしたことか、開成クルーはスタートに失敗。滑らかに漕ぎ出した附属とは違って、スタートがぎこちなく、呼吸が合っていない。
500M付近では「附属がややリードしている」との放送が流れた。わっと歓声があがる附属応援団。「両艇の差はキャンバス差」、わずか1~2mの差である。喜んでばかりもいられない。スタートは良かったものの、その後の漕ぎが甘く、あまり差をつけることができなかったのだ。ここで、やや心配がよぎる。
案の定、750Mで、開成の粘りの前に追いつかれてしまった。さらに附属を追い抜きにかかる開成、そうは、させじ、と踏ん張る附属。あと20M。一歩、開成がリードしたかに見える。もうゴールは目前に迫っている。開成、附属の順に目の前を通っていく展開に、附属応援団からは、声を枯らしての応援の声があがるが、同時に、悲鳴ともうめき声ともとれる声ももれている。
さて、この結果は、どうなったのか。
附属が最後に、差しきって勝利したのです。その差は、わずか1mのまさにキャンバス差でした。勝利を信じ、応援をしてくださったみなさまに心からお礼申しあげます。
(文責:ボート部顧問)

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